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やる気が無くなったり、緊張したりすると、行動が変わってきます。
第四に、人は環境に適応して行動することが特色ですが、逆に、それには限界があることが弱点になります。
第五に、居眠りや不注意など、自分の意に反したことを起こしてしまいます。
これは、本人の意思によってコントロールできる範囲には限りがあるために、このようなことが起こってしまうわけです。
このような弱点が作業の時に出ると事故に結び付くことが多いのです。
ですから、作業前に、今の自分は、このような弱点が現れていないかを自分に問いかけると、弱点を自覚して注意をするとか、弱点をカバーする心構えができて、安全な作業ができると思います。
ところで、日々の生活はどうでしょうか。
栄養や休息は十分でしょうか。
仲間との関係はどうでしょうか。
船内生活は、これらのコントロールが難しくなることがあるのではないかと思います。
また、漁が盛んになった時や、荷役が始まった時には、一気にせわしくなって、疲れ、焦り、責任の重さなどが増してきます。
このようなときにこそ心を落ち着けて、人の弱点を自問して下さい。
そして、ヒューマンエラーを防ぐことを提案します。
本来事故とは、人と物と環境とが関連しあって起こるものですから、ヒューマンエラーを強調するだけでなく、背景や間接的な原因をさぐって、事故が起こらない物や環境条件を整えなくてはなりません。
私たちは微力ながらその後押しをするつもりです。
現場の皆さんは、現場でできるヒューマンエラーの予防策を日頃実践して、安全な議場を守っていただきたいものです。

 

 

 

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